鳳龍弐号のデータ処理に対する設計要求やデータの保存方法、リセット処理について紹介しています。
データ処理(OBC)は、以下のような設計要求があげられます。
これらを達成するために各機器との接続は図1のようになっています。
図1, データ処理のシステム図
ミッション系である、『300V系』『ELF系』『Trek系』『Scamp』『デブリ系』は、OBCを構成しているH8からの指示を受けてのみ実行するようになっています。
『300V系』『ELF系』『Trek系』などのアナログ値を計測しているものは、A/Dコンバータによりデジタルデータに直したものをH8が取得し、そのデータをFlashメモリに保存しています。
Flashメモリは、以下のように3つのあり、それぞれデータごとに保存先が決まっており、マルチプレクサを使用することによって、使用するFlashメモリを切り替えています。
図2, 各ミッションでの使用メモリ
Flashメモリ300Vには、300Vミッションデータを保存し、Flashメモリメインには、衛星の状態データやELF、TrekのデータやScampの映像データが保存されます。Flashメモリシェアは、H8 MainからH8 COMにダウンリンクデータを引き渡す際に利用しています。
H8MainとH8COMは、お互いの生存信号を確認することで、暴走検知を行っています。
何らかの理由で、生存信号が確認できなかった場合、リセットをかけるようになっています。
それとは、別に一定の時間ごとにリセットをかける定期リセットと地上局からのアップリンクによる強制リセットもあります。
動作名 | 発動までの時間 | 備 考 |
---|---|---|
H8 Main 定期リセット | 3時間 | H8 COMも同時にリセット |
H8 COM 定期リセット | 約5時間 | H8 Mainも同時にリセット
何らかの理由でH8 Main定期リセットが発動しなかった際の予備 |
H8 Main 強制リセット① | 30分 | H8 COM側から生存信号が来なくなってからの時間 |
H8 Main強制リセット② | 10s + 4s×Xパケット数 | H8 COMがFM送信を行っている際になるモード |
H8 COM 強制リセット① | 約15分 | H8 Main側から生存信号が来なくなってからの時間 H8 COM自身もリセットをかける |
H8 COM 強制リセット② | 即時 | アップリンクコマンドによる強制リセット H8 COMが正常に作動している必要がある H8 COM Mainともにリセット |